軽度の歯周病
軽度の歯周病では歯ぐきの赤みや腫れに加え、ブラッシング時に出血することがあります。軽度であれば、歯科医院での歯石除去や予防処置、ご自宅での正しいブラッシングを心がけることで改善されることが多いです。
中等度の歯周病
中程度の歯周病では、口臭が強くなる、歯ぐきがむずがゆい感覚になるなどの特徴があります。むし歯のように痛みを感じることはありませんが、歯を支える骨が溶けて減っていることがあります。
治療方法
中等度歯周病の治療では、ご自宅での正しい歯みがきや歯科医院での歯石除去に加えて、SRP (歯肉縁下スケーリング・ルートプレーニング)が必要です。SRPは、目に見えない部位(歯ぐき縁下)を徹底的に洗浄します。盲目下(目で確認できない状態)での処置のため、歯科治療の中でも難しいスキルであり、その処置の精密度には医師や歯科衛生士の技術や経験によって差があります。中等度以上の歯周病を治療する場合は、日本歯周病学会の認定を受けた医師、または歯周病治療が得意な歯科医院を選ぶようにしましょう。
重度の歯周病
重度の歯周病では、歯を支える骨が失われているため、歯のぐらつきが増してしまいます。一般的には歯槽膿漏と呼ばれており、細菌の増加も相まって口臭が強くなったり、膿が出るなどの症状がみられるケースがあります。
再生療法
重度の歯周病治療では、歯周病を専門に学んだ医師でなければ治療できない場合があります。難易度の高い治療法も含め、ケースごとに複合的に進めていきます。できるだけ歯を残すことを目指しますが、やむを得ず抜歯を推奨する場合もあります。
歯周外科
SRP (歯肉縁下スケーリング・ルートプレーニング)による処置後にも6mm以上の歯周ポケットが残る場合、歯周外科治療を行います。ポケット内に残った汚れや歯周病細菌を除去するため、麻酔後に歯ぐきを切開し、歯の根を見える状態にしてから、確実に歯周病細菌を取り除きます。治療中は麻酔が効いているので痛みを感じることはなく、治療後の痛みは簡単な抜歯時と同程度といわれています。
歯周補綴
歯周病治療後、骨などの歯を支える組織の減少により、歯のグラつきが続くことがあります。ものを噛むと時にも支障が出てしまい、再び歯周病が進行する原因にもなります。このような場合はグラつく歯には歯周補綴を行い、歯の安定を図ります。ほとんどのケースでは、全顎的なアプローチ(治療)が必要となります。
抜歯
治療を計画する際、1本でも多く歯を残すことができるよう考慮しますが、考えうる全ての方法を取っても残す見込みがない歯は抜歯を推奨しています。無理に歯を残すと周囲の骨がさらに吸収し、悪影響を及ぼしてしまうことが主な理由です。当院では、口腔内全体を考えたうえで、ベストな選択肢を提示します。